五十肩で長期間苦しんだ症例
患者様:S様(60代・女性)

【症状の経過】
肩の痛みを自覚したものの周りの友人達は「五十肩は放っておけばそのうち治る」と言っていた為、そのまま様子を見ていた。しかし、1ヶ月経過しても肩の痛みは改善せず、徐々に動かなくなってきたので病院を受診。
医師からは「五十肩」と言われ、その病院でリハビリが開始された。マッサージと電気治療がリハビリメニューであったが、2ヶ月経過してもなかなか改善せず、夜間の痛みも気になってきたタイミングで整骨院や針治療にも通い始めた。症状は軽減する時もあったが一時的であり、一進一退の状況が続いたこの時で肩の痛みを自覚してから約5ヶ月が経過していた。
【Physio院長のもとへ訪れたきっかけ】
娘が知人から梶谷先生のことを聞き、その知人を介して、梶谷先生のもとを訪ねた。
【一般的な五十肩について】
『五十肩』というのは本来、数ある診断名の総称を指すものですが、その都度正式な診断名を患者様にお伝えしても複雑でわかりにくいため、患者様が理解しやすいように『五十肩ですね』という説明になっていると考えられる。
従って、肩関節自体に生じている病変や肩関節周囲の筋肉に生じている病変、どちらであっても『五十肩』という診断に集約されてしまうため、治療(施術)にあたる際には、病変部位の特定が不可欠となる。本症例が受けたマッサージや電気治療などのリハビリが有効である場合もありますが、部位や組織を限局せずに漠然とした治療を行っても改善しないケースが多いのが肩関節疾患の特徴です。

【S様の痛みと治療方針について】
症状は約5ヶ月間続いていたため、肩の痛みだけでなく、可動域制限も生じていました。また、痛みを発している部位や組織は複数に渡って存在していたため、様々な検査を行いながら、治療の優先順位を検討しました。最も問題となっている筋肉を限局した後は、上腕骨や肩甲骨の位置関係、それらの動きのエラーを是正するよう介入を行い、痛みの軽減に伴って必要な筋力の改善を図りました。
根本改善の観点では、治療後に疼痛が軽減したとしても、“家事で使うと痛い”や“1週間後には痛みが戻っている”というような状況になっては意味がないため、ご自身の筋肉を効率的に発揮できる環境を施術にて整えた後は、恒常的にそれらを発揮できるためのエクササイズも重要となります。これらの介入の結果、2ヶ月後には痛みと可動域の改善が得られ、治療を卒業されました。
【S様より】
梶谷先生は、痛みの原因をはじめ、改善過程の説明までわかりやすくして頂けたので、自宅でのセルフエクササイズも前向きに取り組むことができました!それに、五十肩は早めに診てもらった方がよいという認識に変わりました。