坐骨神経痛と診断され諦めていた症例
- 痛みの専門院 ―Physio―
- 2023年9月15日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年6月5日
患者様:I様(70代・男性)
【症状の経過】
数年前に左殿部(おしり)~大腿後面(ふとももの裏)にかけて痛みを感じたが、それほど強い痛みではない上に、時折痛む程度であったため様子を見ていた。しかし、徐々に痛む頻度や時間が増え、数ヶ月前からしびれも感じてきたため、病院を受診した。

受診の結果、医師からは「坐骨神経痛ですね。」との診断を受け、痛みやしびれに対する内服薬と湿布薬を処方されたものの、数ヶ月経過しても症状の変化を感じることは無く、病院を変えたり、マッサージや整骨院に通ってみたが軽快には至らず、とある医師からは「この痛みとは上手に付き合っていく必要がある」とまで言われ、諦めていた。
【Physio院長のもとへ訪れたきっかけ】
友人へ坐骨神経痛のことを話していたところ、時々公民館に体操指導に来てくれている理学療法士さんを頼った方が良い!と言われ、梶谷先生のいる病院を訪ねた。
【一般的な坐骨神経痛について】
一般的には『腰部脊柱管狭窄症』や『腰椎椎間板ヘルニア』という診断において、背骨を通る脊髄という神経が圧迫されることで下肢痛やしびれを発症するケースが多く、『坐骨神経痛』は上記診断における“症状”として、患者様へわかりやすく伝えるために用いる場合が多いように感じます。
しかし一方で、脊髄の圧迫以外の要因でも『坐骨神経痛』のような症状を発症するケースもあるため、上記の診断名を含めて、主たる原因の鑑別が重要となります。

【I様の坐骨神経痛について】
神経伸張テストをはじめ、身体(筋肉)の硬さ
や姿勢チェック、感覚や反射の検査、筋力検査など、上記の主たる原因を鑑別するための検査を行った結果、I様は殿部(おしり)の筋肉の硬さから起因する『絞扼性の痛み』の可能性が高いと判断しました。
【I様への治療方針】
『絞扼性の痛み』とは、硬くなった筋肉がその間を通る神経線維を絞り込むように圧迫することで、同神経領域に痛みとして発症するものを指します。従って、I様の殿部(おしり)において、坐骨神経の出口部分に位置する筋肉が同神経を絞扼してしまっていることが、今回の痛みの原因として考えられたため、まずは筋肉の伸張性(硬さ)を改善させることを優先に施術しました。
但し、I様の痛みがなかなか軽快しなった理由の一として、根本的な原因は殿部(おしり)の筋肉の硬さではなく、その硬さを引き起こした別の部分であるため、数種類のセルフストレッチやエクササイズを自宅でも取り組んでいただき、痛みの改善を図ると同時に再発予防まで考慮した包括的な介入を行いました。その結果、治療開始後およそ2ヶ月程で日常生活上の痛みは改善し、その1ヶ月後には8000歩/日の散歩を習慣にできるまでに改善しました。
【I様より】
もっと早く梶谷先生を知ることができていれば良かったです。今では薬も飲まず、湿布も貼らず毎日元気よく散歩できているので、本当に感謝しています。次何かあれば、真っ先に梶谷先生を訪ねます。