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膝の痛みを「歳のせい」と言われた症例

  • 痛みの専門院 ―Physio―
  • 2023年9月15日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年6月5日

患者様:T様(70代・女性)


【症状の経過】

約2ヶ月前から階段昇降時に膝の前面に痛みを感じ、徐々に増悪してきたため、病院を受診した。レントゲン検査を行い、軟骨の摩耗を含め関節の変形は軽度認められるものの、『歳相応』の状態と判断され、湿布薬のみ処方された。

膝の痛み

その後、痛みが改善しないため、別の病院を受診したが、そこでも「歳のせい」と言われ、注射を勧められた程度で改善には至らず、階段昇降以外の日常生活でも痛みを感じる程悪化していた。


【Physio院長のもとへ訪れたきっかけ】

親族に勧められて梶谷先生がいる病院を訪れたところ、医師へ直接話を通してくれたおかげで、スムースに梶谷先生の施術を受けることができた。


【一般的な膝の痛みについて】

加齢に伴い発症する一般的な膝の痛みは『変形性膝関節症』と診断されるケースが多く、その場合は膝の内側や外側に痛みを訴える場合が多い。但し、膝の周りには半月板や筋肉、支帯、靭帯など多くの軟部組織が存在するため、「変形しているから痛い」ということは一概には言えず、どの組織が痛みを発していて、なぜそこの組織が痛んでいるのかについて、原因を限局することが重要になってくる。


【T様の膝の痛みについて】

今回T様が訴えていた膝の痛みは『前面』だったため、軟骨の摩耗を含む関節面における変形が痛みの直接的な原因とは考えられませんでした。膝の前に存在している膝蓋骨(お皿)、膝蓋骨を抑えている支帯、膝蓋骨を動かしている筋肉、これらにおけるトラブルが痛みの原因と推察しながら、あらゆる検査を行った結果、大腿四頭筋の硬さが主な原因であると限局しました。これはAKP(Anterior Knee Pain Syndrome)やPFPS(Patello Femoral Pain Syndrome)とも呼ばれる状態と考えられ、レントゲン等では明確な所見が得られにくい疾患でもあります。


【I様へ治療方針】

実際に痛みを発している部位は膝蓋骨(お皿)と大腿骨における関節面ではありますが、大腿四頭筋の硬さにより関節面への圧迫力を増大させてしまっていることが原因であるため、まずは硬さの改善を優先し施術を行いました。しかし、再発防止や根本改善を図るためには、大腿四頭筋が硬くなってしまった原因に対しても介入を行う必要がありましたので、セルフメニューを作成し、ご自宅でも取り組んで頂くこととしました。階段昇降時の痛みは、施術開始後2週間で改善しましたが、通院頻度を減らしながら、6週間目で治療終了とさせていただきました。


【I様より】

梶谷先生はよく話を聞いてくれて、一生懸命身体を診てくれました。どこが、何で痛いのか?についても、すごくわかりやすく説明してくれて、自宅でも頑張ってみようと思えました。再発しないように取り組みますが、もし痛むことがあったら、真っ先に梶谷先生に診てもらいます。

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