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どこに行っても原因がハッキリしなかった股関節痛に苦しんだ症例

  • 痛みの専門院 ―Physio―
  • 2023年9月17日
  • 読了時間: 3分


股関節痛

【症状の経過】

陸上記録会に向けて練習量も増えてきた際に『股関節外側』に痛みが生じた。記録会の日程も近づいてきていたので、すぐに病院を受診。レントゲンを撮っても問題無く、『疲労によるものでしょう』とだけ言われ、一定期間の安静指示と湿布薬が処方された。医師の指示通り、1週間ほど練習を休み、痛みが軽減したため練習を再開したが、すぐに再発したため、別の病院を受診。そこでも同じように『疲労性のもの』と言われ、同じような指示と処方をされるだけで、原因が明確になることはなかった。整骨院での施術や針治療などあらゆる治療を行ったが、明確な原因を伝えられることは無い上に、結果も変わらず、『走れば痛い』状況が続き長期間満足に走ることができずに苦しんでいた。


【Physio院長のもとへ訪れたきっかけ】

痛みの部位は違うものの、同じような状況下で悩んだ知人が梶谷先生を紹介してくれたため、知人を介して連絡を取り、梶谷先生のいる病院を訪ねた。



弾発股機序

【原因不明の股関節痛について】

痛みの部位を細かく聴取した上で限局したところ、股関節(脚の付け根)の外側で、骨が出っ張った部分の周囲が痛むということだった。痛みの部位や痛むタイミングを踏まえ、各種検査を行った結果『弾発股(Snapping-Hip)』であると特定した。この『弾発股(Snapping-Hip)』は、大転子と言われる股関節外側の骨の出っ張った部分において、大腿筋膜張筋(腸脛靱帯)が引っ掛かったり、擦れたりすることで炎症を招き痛みとして生じるケースが多い疾患と考えられている。しかし、レントゲン上ではハッキリすることは無く、『断発股(Snapping-Hip)』を理解している方の診察で無い限りは、『原因不明の股関節痛』となってしまう。


【K様の弾発股と治療方針について】

弾発股が発生する要因やタイプは様々であるが、K様の場合、腸脛靱帯の硬さより起因するタイプの弾発股であると断定した。従って、まずは腸脛靱帯の硬さを徒手療法にて改善させることが優先であったが、腸脛靱帯の硬さを招く要因が本来の問題点であるため、根本的な原因に対して選択的な治療が出来なければK様のように再発を繰り返すこととなる。この点においても患者様それぞれの原因があるが、K様の場合は骨盤のアライメント不良や姿勢不良から生ずる中殿筋(お尻周囲の筋肉)の機能低下が主たる原因であると限局した。中殿筋の機能低下により大腿筋膜張筋(調整靭帯)の作用に依存した身体動作性を呈していたために、硬さを招き、大転子に擦れやすい環境に陥っていたことが推察された。

上記より、腸脛靱帯の硬さは徒手施術により改善を図ると共に、中殿筋の筋力強化、立位における殿筋群の筋機能改善を図り,腸脛靱帯への過剰なストレス軽減を狙いとして介入を行った。

上記方針や介入の結果、約2週間ほどで痛みなく陸上競技が可能となった他、再発もしなくなった。


【K様の保護者より】

梶谷先生に診ていただき、初めて明確な原因を知る事ができました。また、エコー検査上の炎症所見も見させていただき、より問題が明確になりました。復帰後の再発も無く、梶谷先生には大変感謝しております。

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