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肩が痛くても動かしていい?安静にした方がいい?

9月14日
読了時間: 6分

「五十肩は動かさないと固まるから、痛くても動かした方がいい」


一方で、「痛いときは安静にした方がいい」

と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。


まったく反対のことを言われると、「結局、肩は動かした方がいいの?休ませた方がいいの?」

と迷ってしまいますよね。


実は、どちらか一方が常に正しいわけではありません。


大切なのは、

「肩が痛い=動かしてはいけない」でも、「五十肩=痛くても動かした方がいい」でもない

ということです。


今回は、肩が痛いときの「安静」と「運動」について考えてみましょう。



肩が痛いときも、まったく動かさない方がいい?


五十肩では、肩の痛みだけでなく肩関節の動きが悪くなることがあります。


日本整形外科学会でも、五十肩では動かすと痛みがある一方、あまり動かさないでいると肩の動きが悪くなると説明しています。


そのため、「肩が痛いから、できるだけ動かさないようにしよう」と長期間ほとんど使わなくなってしまうのも注意が必要です。


肩を動かしにくくなると、

― 服を着る髪を洗う

― 高いところの物を取る

― 背中に手を回す

といった日常生活にも影響が出てきます。


では、反対にたくさん動かせばいいか、そう単純でもありません。


肩が痛いときにずっと安静にしたり痛みを我慢して無理に動かしたりせず、肩の状態に合わせて対応する考え方を示した図解

「痛くても動かした方がいい」とは一概に言えません


五十肩と聞いて、「固まらないように、痛くても我慢して動かしてください」と言われた経験がある方もいるかもしれませんが、肩の痛みが強い時期に、無理に大きく動かしたり、強いストレッチを繰り返したりすることが、すべての方に適しているわけではありません。


日本整形外科学会では、痛みが強い急性期には安静を図り、急性期を過ぎてから運動療法などのリハビリテーションを行うとしています。


また、理学療法ガイドラインでも肩関節周囲炎について、炎症期と拘縮期を分けて考えており、炎症期については、「痛みを生じさせない愛護的な運動」と「痛みを許容する積極的な運動」の比較そのものが臨床課題として扱われています。


実際のリハビリテーションでは、肩甲骨や胸椎など、炎症期には患部外へのアプローチからスタートすることも多くあります。


つまり、「五十肩だから、とにかく動かす」という考え方では不十分なのです。



ポイントは「今の肩がどんな状態なのか」


同じ「五十肩」と言われた方でも、肩の状態は同じではありません。


例えば、

・じっとしていても痛い

・夜中に痛みで目が覚める

・少し動かしただけでも強く痛む


という方もいれば、

強い痛みは落ち着いたけれど、肩が硬くて上がらない

という方もいます。


この2人に、まったく同じ運動をするのが適切とは言えませんよね。


だからこそ、「五十肩」という病名だけで運動量を決めるのではなく、今の肩の状態、痛みの時期などを見ること、知ることが大切です。



痛みの変化と共に「動き」にも目を向ける


・安静時の痛みが減ってきた

・夜の痛みが落ち着いてきた

・動かしたときの強い痛みが減ってきた

という場合には、今度は肩の動きにも目を向けていきます。


五十肩では、関節包などが硬くなり、肩の動きが制限されることがあります。日本整形外科学会も、急性期を過ぎた段階では拘縮予防などを目的として運動療法を行うとしています。


ただし、「たくさん動かせば、早く治る」という意味ではありませんので注意が必要です。


ここでも重要なのは、肩の反応を確認しながら運動量を調整することです。



運動していいか迷ったら「4つのタイミング」を確認


これは膝の記事でも紹介した考え方ですが、肩でも役立ちます。


運動前 → 運動中 → 運動直後 → その後の変化を見てみましょう。


① 運動前

まず、何もしなくても痛いのかを確認します。

安静にしていても強く痛む場合と、普段は痛くないけれど特定の動作だけ痛む場合では、肩の状態が違う可能性があります。


② 運動中

どの方向で痛むのか、どこまで動かすと痛むのかを確認します。

「痛いけれど我慢して限界まで」

ではなく、肩がどう反応するかを見ながら行います。


③ 運動直後

動かしたあと、痛みがすぐ落ち着くのか、それとも強く残るのかを確認します。


④ その後

運動した直後だけで判断しないことも大切です。

運動したあとに痛みが強くなったり、その日の夜の痛みが増えたりする場合には、運動の種類・強さ・回数などが今の肩に合っているかを見直す材料になります。


肩の運動が合っているかを運動前・運動中・運動直後・その後の4つのタイミングで確認する方法を示した図解

肩の運動は「腕を上げる」だけではありません


「肩の運動」と聞くと、壁を使って腕を上げたり、反対の手で腕を引っ張ったりするストレッチをイメージする方が多いかもしれません。


しかし、運動の目的は一つではありません。肩の状態によって、

・肩関節の動きを保つ

・運動硬くなった動きを改善するための運動

・肩周囲の筋肉を使う運動

・日常生活の動きを取り戻す練習

など、考え方は変わります。


また、肩関節の周りにある

・脊椎

・肩甲骨

・鎖骨

・胸骨

などの動きも肩の運動には重要となります。


従って、「五十肩にはこのストレッチ」と一つの方法だけを覚えるより、

自分は今、何のためにこの運動をしているのかを考えることが大切であり、

その知識や方法を正しく教えてもらうために、医療機関への受診は有効となります。



「動かす」か「安静」かの二択にしない


肩が痛いと、

― 動かした方がいいのか。

― 安静にした方がいいのか。

どうしても二択で考えてしまいます。


でも、本当に考えたいのはそこではありません。


― 今は痛みが強いのか

― 夜間痛はあるのか

― どの方向が動かしにくいのか

― 日常生活では何に困っているのか

― 動かしたあと肩はどう変化するのか

こうした情報を整理する事で、今の肩にどの程度の負荷が適しているのかを考え易くなります。


結論としては「痛いからずっと安静」でも、「五十肩だから痛くても動かす」でもありません。


今の肩の状態(時期)に合わせて、休ませることと動かすことのバランスを考える。

これが大切です。



そして、実際の経過を見てみましょう


ここまで、

― 五十肩って何?

ー なぜ夜に肩が痛くなる?

― 肩が痛くても動かしていい?

という3つの疑問について順を追って考えてきました。


ただ、五十肩で気になるのは、「実際には、どんな経過で良くなっていくの?」

ということではないでしょうか。


当院では、長期間五十肩に悩まれていた方からご相談いただいた症例があります。


次は、実際の症例を通して、症状がどのように続き、どのような経過をたどったのか

を見てみましょう。






※この記事は肩の痛みや五十肩(肩関節周囲炎)についての一般的な情報を提供するもので、個別の運動方法・運動量や治療方法を示すものではありません。強い痛み、外傷後の症状、明らかな筋力低下、急激な症状の悪化などがある場合は、医療機関へご相談ください。



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