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五十肩って何?自然に治るの?

9月14日
読了時間: 6分

「肩が痛くて腕が上がらない」

「服を着るときに肩が痛い」

「夜、肩がズキズキして眠れない」

40〜60代くらいになると、このような症状を経験する方がいます。


病院を受診して、「五十肩ですね」と言われた方もいるでしょう。


では、そもそも「五十肩」とは何なのでしょうか?


そして、「五十肩は放っておいても自然に治る」という話は本当なのでしょうか?


今回は、五十肩について知っておきたい基本的なことを整理してみましょう。



「五十肩」は正式な病名なの?


一般的に「五十肩」と呼ばれているものは、肩関節周囲炎と呼ばれることがあります。


中年以降、特に50歳代に多くみられ、肩関節の周囲にある組織に炎症などが起こることで、『肩が痛い肩を動かしにくい』といった症状が現れます。


日本整形外科学会でも、五十肩では肩の痛みと運動制限が主な症状として挙げられています。


ちなみに、「四十肩」と「五十肩」は、基本的に別の病気を意味しているわけではなく、発症する年代によって呼び方が変わっているだけで、同じような状態を指して使われています。



肩の中では何が起こっている?


肩は、単純に「骨と骨がつながっているだけ」の関節ではありません。

肩関節の周囲には、

  • 関節包

  • 腱

  • 靱帯

  • 滑液包

  • 筋肉

など、さまざまな組織があります。


五十肩では、こうした肩関節周囲の組織に炎症が起こることが主な病態と考えられています。


さらに、関節を包んでいる関節包などが硬くなったり癒着したりすると、肩の動きが悪くなる「拘縮」につながることがあります。


つまり五十肩は、「肩の筋肉が凝っているだけ」というものではなく、肩関節の周囲に生じるさまざまな変化によって、痛みや動かしにくさが現れます。


五十肩で肩関節周囲の組織に炎症や関節包の硬さが生じ、肩の痛みや動きの制限につながることを示した図解

五十肩では、どんな症状が出る?


代表的なのは、「肩を動かすと痛い」「腕が上がらない」「背中に手を回しにくい」「夜に肩が痛い」といった症状です。


例えば、

― 高いところの物を取る。

― 服を着替える。

― 髪を洗う。

― エプロンの紐を結ぶ。

― シートベルトを取る。

こうした、それまで何気なく行っていた動作が難しくなることがあります。


また特徴的なのが『夜間の痛み』であり、日本整形外科学会でも、夜中にズキズキと痛み、場合によっては眠れないほどになることがあるとされています。


「昼間より、寝ているときの方がつらい」という方も珍しくありません。


では、なぜ夜になると肩が痛むのでしょうか?


これは次の記事、「五十肩で、なぜ夜に肩が痛くなる?」で詳しく解説します。


肩の痛みは五十肩だけでなく腱板断裂・石灰沈着性腱板炎・上腕二頭筋長頭腱炎などでも起こることを示した図解

肩が痛ければ「五十肩」なの?


ここは、とても大切なところです。


40代・50代以降で肩が痛くなったからといって、すべてが五十肩とは限りません。


肩の痛みを起こすものには、

・腱板断裂

・石灰沈着性腱板炎

・上腕二頭筋長頭腱炎

などがありますが、医師によってはこれらを五十肩と総称して説明する場合もあります。


従って、必要に応じて、レントゲン・MRI・エコー検査などを用いて、肩の状態を詳細に確認する必要があるため、「50代で肩が痛いから五十肩」と年齢だけで判断しないことが大切です。



五十肩は自然に治るの?


ここが一番気になるところではないでしょうか。


五十肩について、「そのうち自然に治るから大丈夫」と言われることがあります。


実際、日本整形外科学会も自然に治ることもあるとしています。


ただし、ここで注意したいのが、「自然に改善することがある」=「何もしなくても必ず元通りになる」ではないということです。


五十肩を放置すると、日常生活が不自由になるだけでなく、関節の癒着によって肩の動きが悪くなり「拘縮」を引き起こす場合もあるとされています。


ですから、「五十肩なら放っておけばいい」と一括りに考えるのはおすすめできません。


五十肩の経過と痛み・肩の動き・夜間痛・日常生活への影響を確認するポイントを示した図解

痛い時期と、動かしにくい時期は同じではありません


五十肩では、「とにかく痛くて動かせない」という時期もあれば、

「強い痛みは減ったけれど、肩が固くて上がらない」という状態になることもあります。


つまり、今どのくらい痛いのかどの方向に動かしにくいのか夜間痛があるのか日常生活で何に困っているのかなどによって、肩の状態は違います。


そのため、すべての時期に同じように、「痛くても、とにかく動かしましょう」と考えるのも適切ではありません。


日本理学療法士協会の「理学療法ガイドライン第2版」でも、肩関節周囲炎について炎症期と拘縮期を分けて運動療法などが検討されているため、肩の状態を確認しながら、運動の方法や負荷を考えることが重要です。



「年齢のせい」で終わらせないために


五十肩は、中年以降に多くみられる肩の問題です。


しかし、「50歳だから肩が痛くなった」だけでは、その人の肩の状態を十分に説明できません。

同じ「五十肩」と言われた人でも、

― 夜だけ強く痛む人。

― 腕を上げると痛む人。

― 背中に手が回らない人。

― 痛みは減ったけれど肩が固まっている人。

など症状の出方はさまざまです。


だからこそ、「五十肩という名前」だけを見るのではなく、今の肩に何が起きているのかを考えることが大切です。



五十肩だから「何もしない」でいいわけではありません


五十肩は自然に改善することもありますが、「自然に治る可能性があるから、そのまま放っておけばいい」とは限りません。


― 痛みが強い時期なのか。

― 肩の動きが悪くなっているのか。

― 夜間痛が続いているのか。

― 日常生活にどのくらい影響しているのか。


こうしたことを確認しながら、必要に応じて医療機関などへ相談することが大切です。


特に、転倒などをきっかけに急に肩が痛くなった腕に明らかに力が入らない強い痛みが続いている症状が悪化しているといった場合には、「五十肩だろう」と自己判断せず、医療機関へ受診されることをお勧めいたします。



次は「夜の痛み」について考えてみましょう


五十肩で特につらい症状の一つが、『夜間痛』です。


「寝ようとすると痛い」

「夜中に肩の痛みで目が覚める」

「どちらを向いて寝ればいいのかわからない」

という方もいます。


では、なぜ五十肩では夜になると肩が痛むのでしょうか?



次の記事では、「五十肩で、なぜ夜に肩が痛くなる?」について詳しく考えていきます。




次の記事 ―




※この記事は五十肩(肩関節周囲炎)についての一般的な情報を提供するもので、個別の診断や治療方法を示すものではありません。肩の強い痛みや筋力低下、外傷後の症状などがある場合は、医療機関へご相談ください。



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