膝が痛いのはなぜ?痛む場所や動きから考えてみよう
更新日:9月13日
「立ち上がると膝が痛い」
「歩き始めに痛むけれど、少し歩くと楽になる」
「階段の上り下りがつらい」
「しゃがんだり、正座をしたりするのが難しくなってきた」
膝の痛みといっても、上記のように症状の出方は人によってさまざまです。
病院で「変形性膝関節症ですね」「年齢によるものですね」と説明を受けた方もいるかもしれません。
では、膝が痛い=変形性膝関節症なのでしょうか?
そして、変形性膝関節症と診断された場合、膝の変形だけを見れば痛みの原因が分かるのでしょうか?
今回は、膝の痛みについて考えるときに知っておいてほしいポイントを整理します。
膝の痛みは「いつ痛むか」を確認してみましょう
膝が痛いとき、まず「痛い・痛くない」だけでなく、どんな動作をしたときに痛むのかを確認してみてください。
例えば、
・椅子から立ち上がるとき
・歩き始めるとき
・階段を上るとき、下りるとき
・しゃがむとき
・膝を深く曲げるとき
・長時間歩いたあと、
などです。
変形性膝関節症では、初期に立ち上がりや歩き始めなどで痛みが生じ、進行すると階段昇降や正座などが難しくなることがあります。
しかし、同じ「膝が痛い」という症状でも、痛みが出る動作や程度は人によって異なります。
そのため、「何をすると痛むのか」を整理することは、自分の膝の状態を考える一つの手がかりになります。

「どこが痛むか」も大切です
次に確認してほしいのが、膝のどこが痛むのかです。
一口に「膝」といっても、
・膝の内側・膝の外側
・お皿の周りや前側・膝の裏側
など、痛みを感じる場所はさまざまです。
膝関節は、骨だけでできているわけではありません。
関節軟骨、半月板、靱帯、滑膜など、さまざまな組織によって構成されています。
変形性膝関節症でも、関節軟骨だけでなく、半月板や軟骨下骨、靱帯などを含めた関節全体に変化が生じます。
そのため、「膝が痛い」という情報だけで、どこに問題があるのかを決めることはできません。

「痛む場所 × 痛む動き」で考えてみる
ここまでを一度まとめてみましょう。
膝が痛いときには、
① どこが痛む?
そして、
② どんな動きで痛む?
この2つを組み合わせて考えてみます。
例えば、
「膝の内側が、歩き始めに痛む」
「お皿の周りが、階段を下りるときに痛む」
「膝の裏側が、深く曲げたときに痛む」
というように整理すると、単に「膝が痛い」だけよりも、症状の特徴が分かりやすくなります。
ただし、ここで一つ注意があります。
痛む場所や動作だけで、自分で病名や原因を決めつけるためのものではありません。
あくまで、自分の症状を整理するための手がかりとして考えてください。

レントゲンだけでなく「実際の症状」も大切です
膝の痛みで病院を受診すると、レントゲン検査を受けることがあります。
レントゲンでは、
・関節の隙間
・骨棘
・骨の変化
・脚の配列
などを確認することができ、変形性膝関節症の診断において重要な検査です。
一方で、レントゲンだけでは、半月板・滑膜・軟骨下骨などの状態をすべて確認できるわけではありません。
日本整形外科学会のガイドラインでも、画像所見と臨床症状に違いがある場合には、必要に応じてMRIや超音波検査などを用いて評価することが示されています。
つまり、
「画像で何が写っているか」と同時に、「実際にどこが、どんな動きで、どのように痛むのか」
を見ることも大切です。
「年齢だから仕方ない」で終わらせないために
変形性膝関節症は、高齢になるほど多くみられる疾患です。加齢による関節軟骨の変化だけでなく、肥満、遺伝的な要因、過去の外傷なども関係するとされています。
そのため、「年齢」は確かに関係する要素の一つです。
しかし、「年齢が高い」=「膝が痛くても仕方がない」という意味ではありません。
大切なのは、年齢だけで判断するのではなく、どこが痛むのか。どんな動きで痛むのか。日常生活で何に困っているのか。症状がどのように変化しているのか。を整理していくことです。
自分の膝について考えるときは、まずここから始めてみてください。
では、「軟骨がすり減っているから痛い」は本当?
変形性膝関節症について、「軟骨がすり減っているから痛い」と説明を受けたことがある方も多いと思います。
もちろん、変形性膝関節症では関節軟骨を含め、膝関節にさまざまな変化が起こります。
では、「軟骨のすり減り=膝の痛みの原因」と考えてよいのでしょうか?
次の記事で「変形性膝関節症と軟骨、そして痛みの関係」について、もう少し詳しく考えてみます。
次の記事 ―
※この記事は膝の痛みについての一般的な情報を提供するもので、個別の診断を行うものではありません。強い腫れや熱感、外傷後の強い痛み、急に膝が動かせなくなった場合などは、医療機関へご相談ください。